マンションのフルリフォーム坪単価は50万円~65万円程度が相場となっています。
平方メートル単価では15万円~20万円程度です。
マンションでは戸建住宅と異なり、構造体への大規模な工事が制限されるため、坪単価は戸建てより安価になります。
しかし、管理組合の規約や搬入経路の制約により、追加費用が発生する場合があります。
築年数や専有面積、設備のグレードによって坪単価は大きく変動するため、事前の詳細な見積もりが重要です。
マンションフルリフォーム費用を左右する要因

マンションフルリフォーム費用を左右する要因には、次の5つがあります。
- マンションの専有面積による費用変動
- 階数・立地条件が坪単価に与える影響
- 設備グレードによる費用差
- 施工会社選びで変わる坪単価
- 管理組合規約による制約と追加費用
それぞれ、見ていきましょう。
(1)マンションの専有面積による費用変動
専有面積が広いマンションほど坪単価は高くなる傾向があります。
広い面積では使用する建材や人件費が増加し、工事期間も長期化するためです。
一般的なマンションの専有面積は28坪~33坪程度ですが、これを超える場合は坪単価が上昇します。
逆に狭い物件では、効率的な施工により坪単価を抑えられる場合もあります。
面積に応じた適切な予算計画を立てることで、無駄なコストを削減できます。
リフォーム業者との事前相談で、面積に応じた最適なプランを検討しましょう。
(2)階数・立地条件が坪単価に与える影響
高層階のマンションでは階数が上がるほど坪単価も高くなります。
エレベーターでの資材搬入や作業員の移動に時間と手間がかかるためです。
特に大型の設備機器の搬入時は、クレーン車の使用や階段での手運びが必要となり、追加費用が発生します。
また、立地条件によっては駐車場の確保や近隣への配慮費用も必要です。
高層階リフォームでは、エレベーターサイズの制約により使用できる機材が限定される場合もあります。
事前の現場調査で搬入計画を立てることが、コスト管理の鍵となります。
(3)設備グレードによる費用差
最新設備や高グレード商品を選択すると坪単価は大幅に上昇します。
キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備は、グレードによって価格差が数倍になる場合があります。
しかし、高グレード設備は省エネ性能や耐久性に優れ、長期的にはメンテナンス費用を抑制できます。
配管工事や電気工事などの付帯工事費用も設備によって変動するため、
設備価格だけでなく工事費込みで比較検討することが重要です。
予算に応じて優先順位を決め、メリハリのある設備選択を行いましょう。
(4)施工会社選びで変わる坪単価
リフォーム会社によって坪単価は大きく異なります。
大手企業では大量仕入れによる材料費削減の一方、管理費や広告費により坪単価が高くなる傾向があります。
地域密着型の中小企業では、人件費や管理費を抑えた価格設定が可能です。
ただし、坪単価の安さだけでなく、アフターサービスや保証内容、施工実績も重要な選択基準です。
複数社からの相見積もりを取り、価格だけでなく提案内容や信頼性を総合的に判断することで、最適な施工会社を選択できます。
(5)管理組合規約による制約と追加費用
マンションでは管理組合の規約により、戸建てにはない以下のような制約が発生する場合があります。
- 工事時間の制限
- 搬入経路の指定
- 近隣住戸への事前説明会
- 床材の遮音等級規定:安価な材料が使用できない
- 共用部分の養生費用
- 管理組合への申請手数料
- 工事前の管理組合への届出・承認手続きに時間がかかる
事前に管理規約を確認し、制約事項を把握しておきましょう。
築年数別マンションフルリフォーム費用

(1)築10年未満マンションの費用目安
築10年未満のマンションでは約10万円~50万円程度のリフォーム費用が相場です。
まだ新しいため、クロスの張替えや設備の一部交換程度で済むケースが多くあります。
水回り設備も基本的な清掃やメンテナンスが中心となります。
しかし、ライフスタイルの変化に伴う間取り変更や設備グレードアップを行う場合は、費用が大幅に増加します。
築浅物件でも、将来的なメンテナンス計画を立てておくことで、長期的な費用を抑制できます。
定期的な点検により、小さな不具合を早期発見することが重要です。
(2)築10年~20年マンションの費用相場
築10年~20年のマンションでは約50万円~300万円程度が費用相場となります。
水回り設備の交換時期に差し掛かり、キッチンや浴室の設備更新が必要になります。
クロスや床材の劣化も目立ち始めるため、内装の全面リフォームを検討する時期です。
配管の劣化による水漏れリスクも高まるため、給排水管の点検や交換も重要です。
この時期に適切なメンテナンスを行うことで、今後のリフォーム費用を大幅に削減できます。
計画的なリフォームにより、住宅の資産価値を維持できます。
(3)築20年~30年マンションの費用範囲
築20年~30年のマンションでは約100万円~600万円程度の費用が必要です。
水回り設備の全面交換や内装の大幅なリフォームが必要になります。
配管や電気設備の老朽化も進行し、インフラ全体の更新が求められます。
また、住む人のライフスタイル変化に合わせた間取り変更のニーズも高まります。
断熱性能の向上や省エネ設備の導入により、快適性と経済性を両立できます。
この時期は将来を見据えた大規模リフォームを検討する最適なタイミングです。
(4)築30年以上マンションの費用実例
築30年以上のマンションでは約300万円~1000万円程度の大規模リフォームが必要です。
全ての設備機器が耐用年数を超え、配管や電気設備の全面更新が不可欠となります。
内装材も全面的な張替えが必要で、間取り変更を伴うスケルトンリフォームも一般的です。
バリアフリー化や最新の省エネ設備導入により、住宅性能を大幅に向上させることができます。
築古物件でも適切なリフォームにより、新築同様の快適性を実現できます。
長期居住を前提とした投資効果の高いリフォーム計画が重要です。
部位別マンションリフォーム費用一覧

マンションリフォームでは部位ごとの費用把握が重要です。
以下のような相場になっています。
- キッチンリフォーム:50万円~120万円
- 浴室:60万円~120万円
- トイレ:14万円~32万円
- クロス・床の張替え:20万円~50万円
- 間取り変更を伴う工事:60万円~200万円
設備のグレードや工事範囲により費用は大きく変動するため、優先順位を決めた段階的なリフォームも効果的です。
複数の部位を同時施工することで、工事費用の削減が可能になります。
マンションフルリフォーム費用を抑える方法

(1)優先順位を決めた段階的リフォーム
段階的なリフォーム計画により費用を効率的に抑制できます。
緊急性の高い水回り設備の交換を優先し、内装工事は後回しにする方法が効果的です。
設備の耐用年数を考慮したタイムスケジュールを作成することで、無駄な出費を避けられます。
また、複数回に分けることで、一度の支払い負担を軽減できます。
ただし、同じ部屋で複数回工事を行うと、かえって費用が高くなる場合もあるため、バランスの取れた計画が重要です。
長期的な視点でメンテナンス計画を立てましょう。
(2)複数業者からの相見積もり活用
複数の施工業者から相見積もりを取ることで、適正価格での施工が可能になります。
同じ工事内容でも業者により20%~30%の価格差が生じる場合があります。
ただし、価格だけでなく、提案内容や保証内容、施工実績も重要な判断材料です。
見積もり内容の詳細を比較し、不明な項目は必ず確認しましょう。
地域密着型の業者や専門業者も含めて検討することで、コストパフォーマンスの高い業者を見つけられます。
信頼できる業者との長期的な関係構築も重要です。
(3)補助金・減税制度の有効利用
国や自治体の補助金制度を活用することで、リフォーム費用を大幅に削減できます。
省エネリフォームや耐震改修、バリアフリー工事には様々な補助金が用意されています。
住宅ローン減税制度により、所得税の減税も受けられます。
申請手続きや条件を事前に確認し、リフォーム計画に反映させることが重要です。
補助金の申請時期や予算枠に限りがあるため、早めの情報収集と準備が必要です。
専門業者に相談することで、最適な制度の組み合わせを提案してもらえます。
マンションリフォームで活用できる補助金制度

(1)リフォーム減税制度の種類
住宅ローン減税やリフォーム促進税制により、税負担を大幅に軽減できます。
省エネリフォームでは投資型減税と住宅ローン減税のいずれかを選択できます。
耐震リフォームやバリアフリーリフォームにも専用の減税制度があります。
所得税から直接控除されるため、実質的な費用削減効果は高くなります。
控除期間は最大10年間で、年間最大40万円の控除が可能です。
適用条件や手続き方法を事前に確認し、リフォーム計画に反映させることで、大幅な費用削減を実現できます。
(2)自治体独自の補助金制度
各自治体が独自に実施する補助金制度も積極的に活用しましょう。
省エネリフォームや子育て支援、高齢者対応リフォームに対する補助金が多数用意されています。
補助金額は工事費の一部または定額で、数万円から数十万円の支援を受けられます。
申請期間や予算枠に限りがあるため、早めの情報収集が重要です。
国の補助金制度との併用が可能な場合も多く、組み合わせることで更なる費用削減が期待できます。
市区町村の住宅担当部署やホームページで最新情報を確認しましょう。
(3)住宅ローン減税の適用条件
住宅ローン減税をリフォームで活用するには、一定の条件を満たす必要があります。
工事費が100万円以上で、返済期間10年以上の住宅ローンを利用することが基本条件です。
省エネやバリアフリー、耐震改修などの性能向上工事が対象となります。
床面積50平方メートル以上の住宅であることも要件の一つです。
年収3000万円以下の所得制限もあります。
控除期間は最大10年間で、年末ローン残高の0.7%が所得税から控除されます。
適用を受けるには確定申告での手続きが必要になります。
マンションフルリフォーム費用のお悩みは専門業者にご相談を

マンションフルリフォームの成功には専門業者との連携が不可欠です。
管理組合規約の確認から設計、施工、アフターサービスまで一貫したサポートを受けることで、安心してリフォームを進められます。
費用面でも、補助金制度の活用や効率的な工事計画により、予算内での理想的なリフォームが実現できます。
複数の専門業者から提案を受け、実績や保証内容を比較検討することが重要です。
長期的な視点でメンテナンス計画を立て、住まいの資産価値向上を図りましょう。
まずは信頼できる専門業者に相談することから始めてください。
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