中古マンションを購入する際、限られた予算内で最大の効果を得るリフォーム計画が重要です。
すべてを一度に改修するのは難しいため、優先順位を明確にする必要があります。
この記事では、必ず行うべきリフォームと余裕があれば検討したい項目、そして避けるべき失敗例を紹介します。
必ず実施したい!中古マンション購入後のリフォーム3選

損傷・不具合部分の修繕
中古マンションを購入した際に、まず確認すべき点は住居内の損傷や不具合です。 壁のヒビや床の傷など、目に見える問題点は早期に修繕することで快適な住環境を実現できます。 特に生活に直結する設備の故障は優先的に対応しましょう。
日常的に使用する室内ドアや備え付けの引き出しなどの立て付けが悪い場合も、早めに修繕することをおすすめします。 これらの不具合は毎日のストレス源となり、生活の質を下げてしまうことがございます。 快適な住環境を作るためには、とりあえず基本的な問題点を解消することが大切です。
ただし、マンションの場合は注意が必要です。 玄関ドアや窓など共用部分に属している設備は、管理によって勝手に修理・交換ができない場合があります。 いずれの設備についても、リフォーム前に必ず管理組合に確認しましょう。
専有部分で汚損・故障しやすい箇所のリフォーム費用相場は以下のとおりです:
施工内容 | 費用相場 |
給湯器の交換 | 25~35万円 |
キッチンや洗面台の水栓の交換 | 5~10万円 |
室内ドアの交換 | 3~10万円 |
断熱効果の改善
冬の寒さや夏の暑さを軽減するために、窓やドアなどの断熱性能を高めることが大切です。 二重窓への交換や断熱材の追加により、電気代の節約と快適な室内環境の両方を実現できます。 特に築年数が経過したマンションでは効果を実感しやすいでしょう。
断熱性の高い住居には、多くのメリットがあります。 まず、冷暖房効率が高まるため、光熱費を抑えられます。 また、結露が発生しやすいため、カビの発生を防ぐことができます。 さらに、室内の温度差が小さくなることで、熱ショックのリスクも軽減されます。
断熱性向上の施工は、内装下地の石膏ボードを取り外して断熱材を入れる必要があります。そのため、長期間住んでからの施工は大掛かりな工事となり、生活への影響も大きくなります。できれば入居前のリフォームで、断熱性向上の工事を忘れずに行うことをおすすめします。
窓の断熱性向上としては、ガラスの交換が基本的な方法です。 ただし、多くのマンションでは窓は共用部分に当たるため、勝手に交換することはできません。 その場合の対策として、部屋の中にもうひとつ窓サッシを張る「内窓」の設置が効果的です。
断熱リフォームの費用相場は以下のとおりです:
施工内容 | 費用相場 |
壁の断熱リフォーム | 3,000~3万円/㎡ |
天井の断熱リフォーム | 2,000~8,000円/㎡ |
窓の断熱リフォーム(内窓の設置) | 7~20万円/箇所 |
配管設備の点検・交換
住まいの寿命に直結する配管は必ず点検しましょう。 水漏れや詰まりは大きなトラブルの元になるため、古い配管は新しいものに交換することで将来的な修繕費を抑えられます。 特に闇管や排水管は経年劣化による問題が発生しやすい箇所です。
マンションの配管は、屋外に通っている夜間管・排水管は共用部分に当たるため、管理組合が管理を行います。 一方、部屋内の排水管は専有部分となり、部屋の所有者が管理責任を果たすことがあります。 築年数が経過したマンションでは、配管が劣化していることも少なくありません。
配管工事は目に見えない部分の作業が多く、後に実施されると壁や床の解体、内装工事など大掛かりな工事になる場合があります。 また、水漏れなどのトラブルが発生してからの対応は緊急性が高く、割高になることが多いです。 リフォームの際には、見栄えの良さだけでなく、配管などの機能面もしっかりと点検・整備することが大切です。
配管リフォームの費用相場は以下のとおりです:
設備 | 費用相場 |
闇管の交換(一部) | 約1万円 |
闇管の交換(全体) | 10~20万円 |
排水管の交換(一部) | 約1万5,000円 |
排水管の交換(全体) | 30~50万円 |
中古マンションを購入する際には、このような目に見えない部分の状態も重要なチェックポイントです。 ホームインスペクション(住宅診断)を利用するなど、プロの目で確認してもらうことも検討しましょう。事前に問題点を把握しておくことで、リフォーム計画より正確に立てることができます。
以上が、中古マンションを購入した際にとりあえずやっておきたいリフォーム3選です。 これらの基本修繕・改修を優先的に行うことで、安心して快適に暮らせる住環境の土台を作ることができます。 予算と相談しながら、優先順位をつけて計画的にリフォームを進めていきましょう。
余裕のある予算で検討したいリフォーム3選
リフォーム計画では、まずは生活に直結する重要な部分から進めるべきですが、予算に余裕があれば生活の質をさらに向上させるリフォームも検討したいものです。ここでは、余裕があれば実施したい3つのリフォーム項目を詳しく見ていきましょう。
水回り設備の刷新
トイレの交換
古いトイレから最新式への交換は生活快適性を大きく向上させます。節水機能や温水洗浄機能など、現代のトイレは機能性と清潔さを守った製品が豊富に揃っています。
従来の和式トイレを洋式に変更したり、タンク付きトイレをタンクレスタイプに変更したりすることで、使いやすさと見た目の両方が改善されます。 特にタンクレストイレは、従来型より使用水量が少ない節水効果があるだけでなく、掃除がしやすい衛生面でも優れています。
予算が限られている場合は、便座の交換だけでも印象が大きく変わります。 温水洗浄機能付きの便座に交換するだけで、日々の使い心地がずっと向上します。
トイレのリフォーム内容と費用相場は以下の通りです:
施工内容 | 費用相場 |
トイレ本体の交換(タンク付き) | 4~18万円 |
トイレ本体の交換(タンクレス) | 12~35万円 |
和式から洋式トイレへの変更 | 15~70万円 |
内装のリフォーム(壁・床) | 4~11万円 |
手洗い器の設置 | 10~20万円 |
バスルームの改装
日々の疲れを癒す入浴空間は快適性を重視したいポイントです。 浴槽の交換や浴室暖房の設置により、季節を問わず快適なバスタイムを実現できます。 防カビ・防汚加工された素材を選ぶと清掃の手間も軽減されます。
バスルームは水回りの中でも特に汚れにくく、経年劣化が目立つ場所です。 浴槽の黄ばみや壁のカビは、いくら掃除をしても完全に落とせないことがあります。 ユニットバスへの交換や浴室の内装リフォームにより、清潔で気持ちよく入浴できる空間に生まれ変わります。
また、バスルームは転倒などの事故が起こりやすい冬場所でもあります。 特に場は、浴室と脱衣所の温度差による熱ショックの危険性もあります。 手すりの設置や床の滑り止め加工、浴室暖房の導入など、安全面を配慮したリフォームを行うことで、家族全員が安心して使える空間になります。
バスルームのリフォーム内容と料金相場は以下の通りです:
施工内容 | 費用相場 |
ユニットバスの交換 | 50~150万円 |
浴槽の交換 | 10~55万円 |
天井・壁・床の修繕 | 5~50万円 |
追い炊き機能の追加 | 20~85万円 |
浴室乾燥機の設置 | 10~25万円 |
バリアフリー化(手すり設置・段階差解消など) | 10~15万円 |
床暖房設置 | 10~25万円 |
キッチンの刷新
料理の効率と楽しさを高めるキッチンリフォームは家族の健康にも関わる重要な要素です。収納スペースや作業台の手間により、調理の負担を軽減し家族との時間を豊かにできます。最新の設備導入で家事の時間短縮も可能になります。
キッチンは料理をする場所であるため、油汚れや水垢が付きやすく、経年劣化も目立ちやすい場所です。 システムキッチンへの交換により、収納力や作業効率が向上するだけでなく、お手入れのしやすさも随分と良くなります。 食器洗い乾燥機やIHクッキングヒーターなどの最新設備を導入することで、家事の負担が大幅に軽減できます。
キッチンのリフォームでは、暫定デザイン性だけでなく、実用性も重視することが大切です。 家族の人数や料理の頻度、どのような料理をよく作るかなどを大切にして、自分に合ったキッチンを選びましょう。 予算に余裕がない場合は、キッチン全体の交換ではなく、水栓やレンジフードなど部分的な交換でも印象を変えることができます。
キッチンのリフォーム内容と費用相場は以下の通りです:
施工内容 | 費用相場 |
キッチンの交換 | 50~200万円 |
食器洗い乾燥機の設置 | 10~25万円 |
システムキッチンのコンロ交換 | 5~12万円 |
レンジフードの交換 | 10万円 |
内装材の張り替え
壁面の改装
クロスの張り替えやペイントにより、空間の雰囲気を一新し心地よい住環境を作っていただけます。素材選びで調湿や消臭機能といった付加価値も得られます。
壁は部屋の大部分を占める場所であり、その状態や色によって空間全体の印象が大きく変わります。 汚れやキズが目立つ壁紙を新しいものに張り替えるだけで、部屋が明るく清潔な印象になります。 クロスの張り替えは比較的安価で手軽なリフォームであるため、予算に余裕がある場合でも実施しやすい項目です。
家族の健康や生活スタイルに合わせて、正しい機能を持つ壁紙を選ぶことで、より快適な住環境を作ることができるでしょう。 また、塗り壁やタイル、石材など、壁紙以外の素材を使うことで、より個性的な空間づくりも可能です。
壁のリフォーム内容と費用相場は以下の通りです(6畳間の場合):
施工内容 | 費用相場 |
壁紙の張り替え | 5~10万円 |
塗装の壁 | 5~10万円 |
塗り壁 | 10~15万円 |
床材の交換
毎日直接床に触れるのは生活感と安全性に直結します。フローリングやタイルの状態を見直し、滑りにくい手入れしやすい素材への交換で清潔な住空間を維持できます。防音性能の高い床材は集合住宅での快適な暮らしに貢献します。
床も壁と同様に、部屋の印象を大きく決める要素です。傷んだフローリングや古いカーペットを新しい床材に交換することで、部屋全体が明るく清潔な印象になります。また、床材の種類によって、部屋の雰囲気や使い心地も大きく変わります。
床材選びのポイントは、見た目の美しさだけでなく、耐久性や手入れのしやすさ、歩き心地なども考慮することです。 特にマンションの場合は、階下への騒音対策として、遮音性の高い床材を選ぶことも重要です。 部屋の用途や家族構成に合わせて、最適な床材を選びましょう。
床のリフォーム内容と費用相場は以下の通りです(6畳間の場合):
施工内容 | 費用相場 |
フローリング | 6~18万円 |
クッションフロア | 4~10万円 |
フロアタイル | 5~10万円 |
カーペット | 5~12万円 |
畳 | 7~20万円 |
間取りの変更
ライフスタイルや家族構成に合わせた間取り変更は住みやすさを大きく向上させます。壁の解放や移動により、家族の成長に対応できる柔軟な空間設計が実現可能です。将来的な変化も見据えた計画が重要になります。
間取りの変更は、1部屋を2部屋に決め、逆に複数の部屋の壁をとって広いリビングにするなど、様々なパターンがあります。 家族の人数や年齢、生活スタイルに合わせて、最適な間取りを検討しましょう。
間取り変更は中断壁を壊したり設置するだけではなく、スイッチやコンセント、照明の増設や床下の補強など、大がかりな工事が必要になります。在宅状態でこのような工事を行うのは困難であるため、希望する間取りがある場合は、入居前にリフォームを行うことをおすすめします。
間取り変更のリフォーム内容と費用相場は以下の通りです:
施工内容 | 費用相場 |
1部屋を2部屋に選んで | 25~70万円 |
2部屋を1部屋にする | 10~30万円 |
間仕切りを解除してLDKにする | 100~300万円 |
事前に考えておきたい失敗パターン
リフォームを成功させるためには、よくある失敗パターンを事前に把握しておくことが重要です。ここでは、リフォームにおける代表的な失敗例と、それを回避するための方法を解説します。
予算超過のケース
理想を追求するあまり当初の予算を超えてしまうケースは多発します。工事の進行に伴い追加費用が発生することもありますが、そのため全体の予算の10~20%程度は予備費として確保しておくことが賢明になります。
リフォームの予算オーバーは非常に一時的な問題です。 最初の見積りはとりあえず決めて、具体的な仕様を決めていく過程で金額がかかってしまうこともあります。 また、壁や床を解体してみてはいかがでしょうか。
予算超過を防ぐためには、以下のような対策が有効です:
- 計画段階から余裕を持った予算を設定しておく
- リフォームの希望内容に優先順位をつけ、必ずやりたいものと予算に余裕があればやりたいものを区別する
- ホームインスペクション(住宅診断)を行い、修理が必要な箇所を事前に把握しておく
- 複数の業者から見積りを取り、内容を比較検討する
無駄な予算削減の問題
コスト削減のために品質を犠牲にすると、使用感や耐久性に問題が生じます。
予算内に収めようとするあまり、必要な工事質や良い材料を削減してしまうと、その後の生活に支障をきたすことがあります。例えば、以下のような問題が発生する可能性があります:
- 安い壁紙や床材を選んだ結果、部屋全体が安っぽい印象になってしまった
- 断熱材の住施工を省略したため、冬は寒く夏は暑い環境になった上、結露やカビの問題も発生した
- 間取り変更を諦めたもの、実際に住んでみると生活に不便を感じ、後から工事することになるので余計に費用がかかった
リフォームは住まいの質を長期的に検討することが重要な投資です。初期費用だけでなく、メンテナンス費用や光熱費など、長期的なランニングコストも考慮した上で、適切な予算配分を行うことが重要です。
実用性の見落とし
見た目や流行を重視するあまり、実際の生活での使いやすさを見落としてしまうケースがあります。家族全員の生活動線や使用頻度を考慮し、日常生活での快適性を最優先した設計を心がけることが満足度を高めます。実例を参考にするとイメージが具体化します。
おしゃれな雰囲気や見た目の美しさに惹かれて選んだ設備や素材が、実際の生活では使いづらかったというケースはほとんどありません。例えば、以下のような失敗例が挙げられます:
- 白や淡い色のフローリングを選んで、汚れや傷がかかって掃除が大変になった
- リビングに階段を設置したら、思ったより場所を取り、生活空間が圧迫された
- トイレを間接照明したら、掃除の際に切って見えにくかった
- 対面キッチンについでに、壁付きキッチンより作業スペースがいつの間にか調理がしづらくなった
- スイッチやコンセントの構成を考慮しない製品、使いたい場所に電気が置けなかった
理想の住まいを実現するためには、デザイン性と実用性のバランスが重要です。 実際の生活を具体的にイメージしながら、家族全員が快適に過ごす空間づくりを大切にしましょう。モデルルームやショールームでの体験、実例の見学なども参考になります。
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