MENU

築年数が経った物件の火災保険料を抑える方法

建物が古くなると、火災保険への加入が思いのほか大変になることをご存知ですか?保険会社側から高い保険料を提示されたり、最悪の場合は契約そのものをお断りされることもあります。これは長年の使用で建物が自然と弱くなり、火災や災害に対する抵抗力が下がると判断されるからです。しかし心配はいりません。正しい情報と賢い選択で、適切な保障を確保しながらも保険料負担を減らす方法があります。

目次

築40年超えの物件でも火災保険に加入できるワケ

建ててから40年以上たった家でも、基本的には火災保険に入ることができます。ただし建物のコンディションによっては、加入を拒まれたり、予想外の高額な保険料を示されたりすることもあるでしょう。これは経年変化によって建物の災害耐性が弱まっていると評価されるためです。

築50年を超えるような住宅になると、今の建築基準から見て防火性や耐風性が十分でないと見なされ、保険会社側は慎重に対応します。建物の古さから災害発生確率が高まるため、通常とは違う制限が契約に課されることもよくあります。

さらに2024年10月から保険料の計算方法が変わり、「築年数別料率」が従来の5年刻みから毎年変動する仕組みに改められました。このため家が古くなるにつれて、保険料が年々上がっていく形になっています。こういった事情から、古い家の持ち主は何社かの保険会社から見積もりを取り比べることが大切です。

築年数と保険料の関係

建物の年齢によって保険料がどう変わるのかを理解しておくと役立ちます。2024年秋からは火災保険の「築年数別料率」が5年ごとではなく1年ごとに区分されるようになりました。これは建物の年数が進むにつれて高くなる事故リスクを、より細かく保険料に反映するための変更です。

つまり家が古くなるほど、毎年少しずつ保険料が上がる仕組みになったのです。この変化により、古い家の所有者は以前より保険にかかる費用が増える傾向にあります。新制度では、新築間もない物件と半世紀以上経った家では、保険料に大きな差が出ることになるでしょう。

保険料が上がっている理由

近頃の保険料上昇には明確な背景があります。2023年に損害保険料率算出機構は全国平均で約13%の料率引き上げを行いました。この理由として、相次ぐ自然災害や建築資材・修繕費の値上がりが挙げられます。

特に影響を受けるのは年月が経った家や、水害の危険性が高い地域です。水害リスクに応じた地域別料率も新たに導入され、安全な地域では料金が抑えられる一方、危険度の高い地域では最大1.2倍まで上昇することもあります。

また火災保険は保険会社の売上の約2割を占める重要な商品ですが、この10年間は赤字が続いています。これは台風や大雨などの自然災害が増えて、保険金の支払いが増加しているためです。こうした状況から、古い家の所有者は保険料の上昇を想定しておく必要があります。

保険会社ごとの対応差

保険会社によって古い家への対応は大きく異なります。多くの会社では築40年以上、50年超、築年不明、空き家などについて、厳しい契約条件を設けています。これは年数を重ねた家屋が不正請求の対象になりやすく、新しい損傷と元からの劣化の区別がつきにくいためです。

ある会社では築50年を超える家について、代理店を通じて写真での状態確認を行い、劣化の度合いに応じて自己負担額を高く設定したり、特約を制限したりすることがあります。別の会社では築40年超の物件に対して、家の四方からの写真提出を必須としています。

リフォーム済みであっても、建築時期が古い場合は保障内容が限られる可能性があります。古い家をお持ちの方は、複数の保険会社に相談して条件を比べることで、最適な選択ができるでしょう。

実際の対応事例

各保険会社によって古い家への対応方法は様々です。ある会社では築50年超の住宅について、代理店を通じて状態確認を行い、劣化具合によって自己負担額を高めたり、特約追加を制限したりすることがあります。

別の会社では築40年超の物件に対して、建物の四方向からの写真提出を義務付けています。これにより家の現状を詳しく把握し、リスク判断の材料としています。保険各社は長年の使用による水漏れなどの事故発生を警戒しているのです。

火災保険の現状

築40年以上の家の火災保険加入は年を追うごとに難しくなっています。背景には保険業界の収支悪化があり、特に自然災害の多発や建物の老朽化による被害が大きな負担となっているのです。

金融庁の2023年報告によれば、火災保険は保険会社の売上の約2割を占めますが、過去10年間は赤字が続いています。これは災害の増加により保険金支払いが膨らんでいるためです。

さらに2024年秋からは築年数別料率が5年区分から1年単位に変更され、古い家ほど高い保険料が適用される可能性が強まっています。このため所有者は保険選びにおいて慎重な比較検討が必要になっています。

自然災害の影響

災害の頻発により保険金支払いが増えています。金融庁が2023年に公表した「保険モニタリングレポート」では、火災保険は保険会社の収入の約2割を占めますが、その収支は10年連続でマイナスとなっています。

この赤字の主な原因は、台風や豪雨、豪雪といった自然災害の増加です。こうした状況を受け、各社は古い家に対して慎重な姿勢を強めています。

給排水設備の問題

配管の老朽化による水漏れ事故が増えています。損害保険料率算出機構の「2023年度版火災保険・地震保険の概況」によれば、古い建物では配管などの劣化により水漏れ被害が増加傾向にあります。

年月を経た家特有のこのリスクが、保険会社の収支悪化に影響しています。老朽化した配管からの水漏れは、建物自体だけでなく家財や隣接部屋にまで被害が及ぶことがあり、保険金支払いの大きな要因となっているのです。

保険料を抑える6つの方法

年月が経った家は新しい家と比べて耐火性能や耐風性能が落ちているため、災害リスクが高まります。そのため保険料が高額になりがちですが、工夫次第で負担を軽くできます。

古い家でも災害に備えるため、火災保険は必要不可欠です。特に築50年を超える物件では、リスクが増すことから保険の重要性が高まります。以下では保険料を抑えるための6つの方法を紹介します。

長期契約の活用

火災保険は最長5年まで契約でき、長期契約を選ぶことで保険料を節約できます。通常、1年契約より5年契約の方が割安になる傾向があります。月払いの場合でも、5年契約の方が月々の支払いが少なくなることが多いです。

ただし古い家では、保険会社によって長期契約ができないケースもあります。築年数が進んだ家では1年契約しか認められない場合があるため、契約前に確認することが大切です。

一括払いの利用

保険料の支払い方法には「月払い」と「一括払い」があります。通常、一括払いの方が割安になります。例えば5年契約で5年分をまとめて支払うと、最も経済的になることが多いでしょう。

一括払いのメリットは総支払額が少なくなることです。保険会社によっては長期契約の割引率が高く、まとめて支払うことで大きな節約ができます。特に古い家では保険料が高くなる傾向があるため、この方法は有効です。

ただし一度に大きな金額が必要になるため、資金に余裕がある場合に検討するとよいでしょう。

必要な補償の選択

火災保険はさまざまなリスクに対応していますが、補償範囲を見直すことで保険料を抑えられます。特に「水災」と「不測かつ突発的な事故」は省略できる代表的な補償です。

水災とは台風や大雨による洪水や高潮、土砂崩れなどの被害への補償です。川から離れた場所や高層階の場合、この補償を外すことで保険料を抑えられることがあります。ただし自己判断は危険なので、ハザードマップで確認することが重要です。

「不測かつ突発的な事故」とは、家具移動時の壁損傷などの予期せぬ事故への補償です。このような損害は注意で防げることも多く、保険料を抑えたい場合は省略を検討できます。

水害リスクへの備え方

水害リスクを検討する際は、住宅の立地環境を慎重に評価することが重要です。水災補償は豪雨による洪水、高潮、土砂崩れなどの被害を対象としています。

河川から離れた地域や高層階など、水害リスクが低い場所では、この補償を外すことで保険料を抑えられる可能性があります。ただしリスク判断は専門知識が必要です。

物件地域のハザードマップを確認し、水害リスクをしっかり把握しましょう。ハザードマップは役所で入手できるほか、国土交通省のポータルサイトでも確認可能です。

突発事故への対応

突発的な事故への対応も保険料に影響します。「不測かつ突発的な事故」補償は、家具移動時の壁損傷などの予期できない事故への保障です。

この補償は、ある程度の注意でリスクを減らせることが多く、損害額も比較的小さいことが特徴です。そのため、保険料を抑えたい場合は、この部分を外すことを検討できます。

ただし古い住宅では、経年劣化による予想外のトラブルもあります。補償を外す際は、住宅の状態や生活スタイルを考慮し、リスクとのバランスを取ることが大切です。

自己負担額の設定で保険料を下げる

自己負担額を設定することで保険料を抑えられます。自己負担額とは事故時に保険金から差し引かれる自己負担分のことです。この金額を大きく設定するほど保険料が安くなる傾向があります。

ただし設定すると、事故時に受け取る保険金が減るため注意が必要です。また臨時費用保険金など追加保険金にも影響します。例えば自己負担額5万円の場合、50万円の損害では45万円の保険金となり、臨時費用保険金も減額されます。

古い住宅では事故リスクが高いため、自己負担額の設定はメリット・デメリットを慎重に検討すべきです。

臨時費用保険金の選択と保険料

臨時費用保険金は、災害時の引っ越しや生活必需品購入などの急な出費を補う追加保険金です。この補償を調整することで保険料に影響を与えられます。

通常、臨時費用保険金は損害保険金の一定割合(例:10%)が上限額まで支払われます。例えば損害保険金50万円では、臨時費用保険金は5万円となります。しかし自己負担額を設定すると、受取金額が減少します。

古い住宅の保険料を抑えるには、臨時費用保険金の割合を下げたり、特約を外したりする方法もあります。ただし万一の際の生活再建資金として重要なため、削減は慎重に判断しましょう。

複数の保険会社から見積もりを取る

火災保険料は、損害保険料率算出機構の参考純率を基に各社が設定しますが、同じ物件でも会社によって料金が異なることがあります。これは各社が独自の基準でリスク評価を行っているためです。

特に古い住宅では、保険会社によって築年数評価や引受条件が大きく異なる場合があります。ある会社では契約を断られても、別の会社では受け入れられることもあります。また補償内容や特約の組み合わせによっても保険料は変わります。

保険料を抑えたい場合は、複数の保険会社や代理店から見積りを取り、比較検討することが重要です。

まとめ:適切な火災保険を選ぶポイント

築年数の進んだ住宅でも火災保険加入は可能ですが、物件状態によっては契約が難しかったり高額な保険料が提示されたりします。料金を抑えるには長期契約、一括払い、補償範囲見直し、自己負担額設定が効果的です。また複数の保険会社から見積もりを取ることで好条件を見つけられます。特に築50年超の物件では、再調達価格を基準に保険金額を設定し、定期的な見直しが大切です。適切な保険でリスクに備えましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする


上の計算式の答えを入力してください

目次