1. はじめに
「浴室をリフォームしたいけれど、どのくらいの期間と費用がかかるのか分からない」。そんな悩みを抱えていませんか。浴室リフォームは住まいの快適性を大きく向上させる重要な工事ですが、工期と費用の見通しが立たないと、なかなか踏み切れないものです。
実際に、浴室リフォームの費用相場は約50万円から200万円と幅広く、工期も工事内容によって2日から1ヶ月程度まで大きく変動します。「高額だから手が出せない」と諦めている方も多いですが、工事内容によっては予想より安く済むケースもあります。
本記事では、浴室リフォームのタイプ別費用相場と工期について詳しく解説します。さらに、工期を短縮するコツや費用を抑える方法まで、実践的な情報をお届けします。計画的にリフォームを進めることで、理想の浴室を効率的に実現できるでしょう。
2. 浴室リフォームの基本知識
浴室リフォームを成功させるためには、まず基本的な知識を身につけることが重要です。既存の浴室タイプとリフォーム方法を理解することで、適切な計画を立てられます。
2-1. ユニットバスと在来浴室の違い
浴室リフォームの費用と工期は、既存の浴室が「ユニットバス」か「在来浴室」かによって大きく変わります。
ユニットバスは、パネルを組み立てて作る浴室です。戸建・マンション共に最も普及しており、浴槽や床・壁・オプション機器を選択肢の中から自由にカスタマイズできます。工場で生産されたパーツを組み立てるため、工事が短期間で済み、費用も安価に抑えられる特徴があります。
一方、在来浴室は、タイルを使用した昔ながらの浴室です。浴槽やシャワー・窓の位置、床・壁のデザインをすべてオーダーメイドで注文できるため、これまで戸建で多く採用されてきました。自分好みの浴室を作り上げられますが、工事が長期間に及びやすく、費用が高額になる傾向があります。
2-2. リフォームタイプの種類
浴室リフォームには主に3つのパターンがあります。
ユニットバス→ユニットバスは最も一般的なリフォームです。既存のユニットバスを新しいものに交換するため、工事がスムーズに進みます。
在来浴室→ユニットバスは、昔ながらの浴室を現代的なユニットバスに変更するリフォームです。防水性能の向上やメンテナンス性の向上が期待できます。
在来浴室→在来浴室は、既存の在来浴室を新しい在来浴室に作り直すリフォームです。デザインの自由度が高い反面、工期と費用がかかります。
3. 浴室リフォームの費用相場【タイプ別】
浴室リフォームの費用相場は約60万円から160万円ですが、既存の浴室タイプや選択する商品によって金額が大きく変動します。ここでは、リフォームタイプ別の具体的な費用相場をご紹介します。
3-1. ユニットバスからユニットバスへの交換(60~150万円)
既存のユニットバスを新たなユニットバスにリフォームする際の費用相場は約60万円から150万円です。必要な工事期間は3日から4日程度と比較的短期間で完了します。
戸建住宅はマンションと比べて浴室面積が広いことが多いため、商品価格が割高になりやすい傾向があります。さらに戸建では大規模なリフォームやさまざまなオプションを追加できるため、プラン内容に比例して価格も上がりやすくなります。
このタイプのリフォームは最も人気が高く、工事もスムーズに進むため、初めてのリフォームにもおすすめです。
3-2. 在来浴室からユニットバスへの交換(65~150万円)
既存の在来浴室を新たなユニットバスにリフォームする際の費用相場は約65万円から150万円です。必要な工事期間は1週間程度とやや長くなります。
在来浴室は、ひび割れたタイルのすき間から水が染み込み、見えない部分の腐食や白アリ被害などのトラブルが発生している場合があります。この場合は別途補修費用がかかるため、予算に余裕を持って計画することが重要です。
ユニットバスへの変更により、防水性能が大幅に向上し、清掃やメンテナンスが格段に楽になる利点があります。
3-3. 在来浴室から在来浴室への交換(50~200万円)
既存の在来浴室を新たな在来浴室にリフォームする際の費用相場は約50万円から200万円と幅広くなります。必要な工事期間は2週間から1ヶ月程度です。
前項と同様に、見えない部分の腐食や白アリ被害などのトラブルが発見された場合は、別途補修費用がかかります。また、オーダーメイドで仕様を決められるため、選択する素材やデザインによって費用が大きく変動します。
3-4. 予算別でできるリフォーム内容
50万円未満では、設備の部分的な工事が可能です。手すりの設置、シャワーの交換、浴室ドアの交換、浴槽の交換、内装の張り替え、給湯器の交換、浴室暖房乾燥機の設置などができます。
50万円から100万円では、スタンダードタイプの浴室への交換や既存浴室のバリアフリー化が実現できます。出入りしやすい浴槽への交換やバスリフトの設置、扉を引き戸や折戸に交換する工事も含まれます。
100万円から200万円では、ハイグレードタイプの浴室への交換が可能になります。お湯が冷めにくい浴槽や掃除しやすい機能、手すりなどを標準装備した高機能な浴室が実現できます。
200万円以上では、プレミアムタイプの浴室への交換ができます。ジェットバス、調光システム、床の自動洗浄機能などを標準装備した最高級仕様の浴室が手に入ります。
4. 浴室リフォームの工期【パターン別】
浴室リフォームの工期は、工事内容や住宅の条件によって大きく変動します。事前に工期を把握しておくことで、生活への影響を最小限に抑えた計画を立てられます。
4-1. ユニットバス交換の工期(2~4日)
ユニットバスからユニットバスへの交換は、最も工期が短いリフォームです。標準的な工期は2日から4日程度で完了します。
具体的な工程は以下の通りです。1日目に既存ユニットバスの解体工事を行い、2日目に木工事とユニットバスの組み立てを実施します。3日目に電気・給水配管設備工事を行い、最終日に仕上げ作業と清掃を完了させます。
このタイプのリフォームは工場で製造されたパーツを組み立てるだけなので、現場での作業が効率的に進みます。お風呂が使えない期間も最短で済むため、日常生活への影響を抑えられます。
4-2. 在来浴室からユニットバス(5~7日)
在来浴室からユニットバスへのリフォームの工期は5日から7日程度です。ユニットバス交換と比べて工期が長くなる理由は、床の解体工事とコンクリート基礎工事が追加されるためです。
工程は次のようになります。1日目に在来浴室の解体工事、2日目に床コンクリート基礎工事を行います。3日目はコンクリートの乾燥待ちとなり、4日目に木工事、5日目にユニットバス組み立て、最終日に電気・給水配管設備工事を実施します。
コンクリートの乾燥時間が工期に大きく影響するため、湿度が高い真夏や気温が低い真冬では、さらに時間がかかる場合があります。
4-3. 在来浴室から在来浴室(2週間~1ヶ月)
在来浴室から在来浴室へのリフォームは、最も工期が長くなるパターンです。標準的な工期は2週間から1ヶ月程度を見込んでおく必要があります。
ユニットバスのようにセットになったパーツを組み立てる工法ではないため、すべての工程を現場で一から作り上げる必要があります。防水工事、タイル工事、配管工事など、各工程で乾燥や養生期間が必要になるため、工期が延びやすくなります。
既存浴室の状況によっては、下地補修や追加の防水加工が必要な場合もあり、さらに工期が延長される可能性があります。
4-4. 工期に影響する要因
住宅タイプの違いも工期に影響します。マンションでは管理組合の規約により、工事時間帯の制限や搬入経路の制約があるため、工期が延びる場合があります。エレベーターのサイズによっては手作業での搬入が必要になり、追加の時間がかかることもあります。
季節や時期による影響も考慮が必要です。リフォーム業界の繁忙期である10月から年末、3月の年度末は職人が不足しやすく、工期が延びる可能性があります。
追加工事の有無も重要な要因です。在来浴室のリフォームでは、解体後に腐食や白アリ被害が発見されることがあり、補修工事が必要になると工期が大幅に延長されます。事前調査で予測できない部分もあるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
5. 費用内訳と工期の詳細工程
浴室リフォームの費用構成と具体的な工事工程を理解することで、見積もりの妥当性を判断し、適切な業者選びができるようになります。
5-1. リフォーム費用の内訳
浴室リフォームに必要な費用は、主に「商品代」「オプション代」「工事費」の3つに分かれます。
商品代は、ユニットバス本体の価格です。各メーカーでは比較的安価なスタンダードタイプから高級感あるプレミアムタイプまで幅広くラインナップしています。グレードごとに素材やデザイン、選べるオプションが異なり、どのグレードを選ぶかによって価格が大きく変わります。標準設備には浴槽、風呂フタ、カウンター、水栓シャワー、鏡、収納棚、床パネル、壁パネル、天井、ドア、排水口、換気設備、照明が含まれます。
オプション代は、標準設備に加えて導入する追加設備の費用です。手すり、テレビ、追い焚き機能、ジェットバス、浴室暖房乾燥機などがあります。ほとんどの設備はリフォーム後に後付けできますが、追い焚き機能やジェットバスは大掛かりな工事になるため、リフォーム時に同時施工することをおすすめします。
工事費には、既存浴室の解体撤去、仮設工事、基礎工事、給排水配管工事、電気工事、新規ユニットバス組み立て工事、ドア袖壁の修復工事、産廃処分費、諸経費が含まれます。オプションの追加工事や腐食白アリ被害の補修工事が必要な場合は、別途費用がかかります。
5-2. 工事工程と日数
ユニットバス交換の詳細工程を見てみましょう。1日目は既存ユニットバスの解体撤去から始まります。配管の確認と必要に応じた修理も同時に行います。2日目は木工事でドアや窓の枠を取り付け、給排水配管の準備を整えます。3日目はユニットバスの搬入と組み立てを行い、床、壁、浴槽、ドアなどのパーツを順次設置します。4日目は電気工事と給水配管設備工事を完了させ、動作確認と清掃を行います。
在来浴室からユニットバスへの工程はより複雑です。1日目は在来浴室の解体工事とドア窓の取り外しを行います。2日目は床コンクリート基礎工事を実施し、しっかりと乾燥させます。3日目から4日目はコンクリートの養生期間です。5日目は木工事でドアや窓の枠組み、床の木組みを行います。6日目はユニットバスの搬入と組み立て、7日目は電気系統と配管などの設備工事を完了させます。
工程管理においては、各工程の品質確認が重要です。特に防水工事や配管工事は後から修正が困難なため、各段階での丁寧なチェックが必要になります。
6. 工期短縮と費用を抑える方法
理想の浴室リフォームを効率的に実現するために、工期を短縮し費用を抑える具体的な方法をご紹介します。適切な準備と業者選びで、満足度の高いリフォームが可能になります。
6-1. 工期を短くするコツ
複数社での見積もり比較は工期短縮の基本です。リフォーム業者によって工期が異なるため、一社だけに絞ると希望通りにいかない場合があります。業者ごとで工期に違いが出る理由は、提案する見積もり項目が異なるためです。再利用する箇所の違いやオプション機能の有無などが関わってきます。作業量が増えるほど工期は延びるため、見積もり内容を確認した上で希望期間内で作業できる業者を選びましょう。
事前準備の徹底も重要なポイントです。工事を円滑に進めるために、リフォーム前には掃除や動線確保を行いましょう。浴室リフォームでは、邪魔になりそうな脱衣所や浴室内の荷物を別の場所に移動しておくと、工事がスムーズに進み工期の延長を防げます。浴室付近だけでなく、搬入で通る玄関や廊下も片づけてスペースを確保できると安心です。
工程表の活用と交渉により、わずかでも工期を短縮できる可能性があります。リフォーム業者から事前に工程表をもらい、土日を挟んでスケジュールが組まれている場合は月曜日から始められないか確認してみましょう。マンションでは管理規程により土日の作業ができず、戸建の場合でも日曜日は工事ができないのが大半です。月曜日から工事を開始することで工事完了までの期間を短くできます。
6-2. 費用を抑える方法
優先順位の設定は費用削減の第一歩です。現在の浴室の使いにくい点や不満な点を洗い出し、具体的な項目や条件を挙げてみましょう。全ての項目が出揃ったら優先順位を付け、優先度の高い項目や条件が叶うようプランに組み込んでください。不要なオプションを付けることなく、満足度の高いリフォームが実現できます。
相見積もりの取得も重要な費用削減方法です。リフォーム前に複数の施工業者から見積もりを取りましょう。同じ商品でも施工業者によって見積もり金額は異なります。施工業者によっては割安で提供できる特定商品があるなど、見積もり依頼をしなければ気づかない情報を得られることもあります。複数社の見積もりを取ることで、工事内容やアフターフォロー内容、担当者の対応なども比較できます。
補助金の活用により、実質的な負担を軽減できます。バリアフリー対応のため、手すりの設置や引き戸への交換、出入り口の段差解消工事をする際は、国や自治体の補助金または介護保険の対象となる場合があります。窓などの断熱化工事や高断熱浴槽の導入といった省エネリフォームを実施する際には、国や自治体の補助金対象になる可能性が高いです。
分割払いの利用も一つの方法です。一回の支払い金額を抑えるという意味で、分割払いを検討してみてもよいでしょう。施工業者によっては、クレジットカードの分割払いよりも安い手数料で利用できる制度を用意している会社もあります。ただし、利用には事前の審査や条件があるため、詳しくは業者に確認することが大切です。
7. よくある質問とトラブル対策
浴室リフォーム中に発生しやすい問題と、その対処法について解説します。事前に対策を知っておくことで、安心してリフォームを進められます。
7-1. お風呂が使えない期間の対処法
施工内容によっては、リフォーム中や工事直後にお風呂が使えないケースが多くあります。工期中の入浴対策として、近所の銭湯を利用する、親戚や友人宅でお風呂を借りる、一時的にホテルに宿泊するなどの方法があります。
最低でもリフォームが始まる前に業者にお風呂が使えない期間を確認し、銭湯の場所の把握や親戚への連絡を済ませておく必要があります。特に家族が多い場合は、全員分の入浴手段を確保しておくことが重要です。
7-2. 工期延長の原因と対策
予期しない問題の発見が工期延長の主な原因です。在来浴室の解体時に腐食や白アリ被害、配管の老朽化などが発見されることがあります。これらの問題は事前調査では発見が困難な場合が多く、追加の補修工事が必要になります。
対策として、契約時に追加工事の可能性と費用について業者と詳しく話し合っておきましょう。また、工期に余裕を持ったスケジュールを組むことで、突発的な問題にも対応できます。信頼できる業者を選ぶことで、問題が発生した場合でも適切な対応を期待できます。
8. まとめ
浴室リフォームの工期と費用は、既存の浴室タイプとリフォーム内容によって大きく変動します。ユニットバス交換なら2日から4日、費用は60万円から150万円が目安です。在来浴室からのリフォームは5日から7日、費用は65万円から150万円程度を見込んでおきましょう。
工期短縮のためには複数社での見積もり比較と事前準備が重要です。費用を抑えるには優先順位の設定と補助金の活用を検討してください。計画的に進めることで、理想の浴室を効率的に実現できるでしょう。
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